試験醸造(上槽)2024.12
工業技術総合センター食品技術部門では酒米や醸造技術について研究し清酒醸造技術を向上させるための試験醸造を毎年行っています。
今年は、長野県で開発し本年2月に農林水産省から出願が公表された新品種の酒米「信交酒577号(夢見錦)」「信交酒555号(やまみずき)」のお酒も仕込まれました。どちらも鑑評会出品酒クラスの純米大吟醸酒です。
温度管理されたタンクの中で1ヶ月ほど発酵させたもろみは最終的にアルコール濃度が15%前後まで上昇し、良い香りが漂うようになります。このもろみを布の袋に注ぎ入れて吊るし自然に滴り落ちるお酒を集めるのが「袋吊り」。この方法はもろみに圧力をかけないため香り高く雑味のない最高級のお酒を採ることができます。その後もろみを回収し圧搾機(いわゆる「やぶた」)にかけてもう一度絞ります。絞ったお酒はオリが沈んでから上清を瓶に詰め(オリ引き)、65度程度のお湯につけて酵素の働きを止めます(火入れ)。ここまでくればお酒造りもようやく一段落。今年のお酒はどんな出来栄えでしょうか。
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