元気な発酵人 vol.11

料理家/発酵マイスター:榎本美沙さん

発酵食品や旬の野菜を使ったシンプルなレシピを発信する料理家/発酵マイスターの榎本美沙さん。忙しい人でも、気軽に丁寧な暮らしを送ってほしい、という想いが込められたレシピが共感を呼び、テレビや雑誌、WEBへのレシピ提供、料理教室など多方面で活躍されています。 YouTubeチャンネル「榎本美沙の季節料理」は登録者数16万人を超えるほど!そんな発酵食品のプロフェッショナルである榎本さんに、発酵食品の魅力について教えていただきました。今回のために考案いただいた、長野県産食材を使用したレシピも必見です。

発酵マイスターになるまで

社会人を経て、結婚を機に料理学校へ入学した榎本さん。本格的に調理や栄養学を学ぶ中で発酵食品に魅せられ、卒業後は自身で味噌レシピの開発を多く手掛けるようになり本格的に発酵食品を勉強し、取得したのが発酵マイスターの資格でした。榎本さんのレシピには味噌をはじめとし、甘酒や塩麹、発酵白菜、発酵トマト、発酵あんこなど、様々な発酵食品が登場します。発酵食品と一般食材の深い知識を生かしたレシピは、誰でも手軽に作れるよう工夫されています。炊飯器を使用し、たった一晩で簡単にできる味噌のレシピが好評となり2021年11月には新刊『からだが整う〝ひと晩発酵みそ〟』(主婦と⽣活社)が出版されました。

YouTubeでの発信

YouTubeの動画レシピも人気の榎本さん。動画投稿を開始したのは2018年。当時は1分ほどの短いレシピ動画が流行していましたが、榎本さんはレシピ工程だけでなく、調理中の心地よい音や雰囲気も動画で伝えたいと思い、材料の紹介~調理工程~ご自身で食べた感想までを丁寧に映した5分から15分ほどの動画を作成しています。動画からは、まな板の上でトントン食材を切る音やお湯がコトコトと沸く音など、台所から聞こえる少し懐かしいような耳に心地よい音が伝わってきて、レシピを参考にしたい人はもちろん、料理をしない人でもホッと安らげるような動画となっています。撮影・編集はご主人が担当しており、ご夫婦で制作されているそう。「大げさな編集はありませんが、そのシンプルさが心地よくて視聴しています!という声もいただいています。」

長野県の発酵食品の魅力

長野県の発酵食品の魅力について伺ったところ、「長野県の発酵食品の魅力は、豊かな自然や風土で育つ食材そのもののクオリティの高さですね。味噌をはじめとし、野沢菜漬けやチーズなどの発酵食品も良い素材があってこその美味しさだと思います。」と榎本さん。また、南北に広がる長野県では、それぞれの気候風土でバラエティに富んだ農畜産物が育ちます。「種類豊富な発酵食品や野菜を組み合わせて、より美味しく、健康的に料理を楽しめるのも長野県産食材のポイントですね。」榎本さんは、長野県産の濃縮タイプの麹甘酒を普段から愛用しているそうで「砂糖の代わりに料理に使うと上品な甘さに仕上がります。栄養価も高く、健康に気を遣っている方におすすめです。」と教えてくれました。

榎本さんには今回、アンテナショップ「銀座NAGANO」でお買い物をし、セレクトした食材でレシピを考案していただきました。発酵食品の品揃えの豊富さに榎本さんも驚かれていました。なかでも手作り納豆キットの「わらつと」は、発酵マイスターの榎本さんが感激するほど珍しい商品となっています。「発酵食が根付いた長野県の、ニッチな食材も取り揃えているのが魅力ですね。」とお買い物に熱の入る様子。

(※各食材は季節商品のため、取り扱いがない場合がございます。)

そんな榎本さん考案の、長野県産食材をたっぷり使用した「きのこの酒粕豚汁」をご紹介します。

「きのこの酒粕豚汁」

●材料(2人分):豚バラ薄切り肉 80g/ぶなしめじ、エリンギ 各1パック(100g)/長ねぎ 1/2本/しょうが 1片/ごま油 小さじ2/だし汁 2と1/2カップ/酒粕 50g/味噌 大さじ2

●作り方

【1】ぶなしめじは石づきを切り取り手でほぐす。エリンギは横半分縦半分に切り、縦薄切りにする。長ねぎは斜め薄切り、しょうがは千切りにする。豚肉は3cm幅に切る。

【2】鍋にごま油を入れ中火で熱し、しょうが・長ねぎ・ぶなしめじ・エリンギを炒める。しんなりしたら豚肉を加え炒め、肉の色が変わったらだし汁、酒粕を加える。煮立ったら蓋をし、弱めの中火で2〜3分煮る。火を弱めて味噌を溶かし入れる。

その他のレシピはこちら>>

発酵食ブームを地に足の着いたものに

免疫力アップの観点からコロナ禍で発酵食品への注目が集まりましたが、一時的なブームで終わらせることなく、地に足の着いたものにすることが榎本さんの目標。「より多くの人に発酵食品の魅力を伝えるためにも、シンプルで無理なく続けられるレシピで発酵食品のハードルを低くすることを心がけています。『自分でも作れるんだ!』という喜びを感じてもらえれば嬉しいです。」と榎本さん。 新刊『からだが整う〝ひと晩発酵みそ〟』ではレシピの手軽さが反響を呼んでおり、SNSでは、ハッシュタグ「#ひと晩発酵みそ」をつけて榎本さんのレシピで作った味噌の投稿も多数。 榎本さんは、発酵食品を日々の生活に取り入れるだけでなく、自分で作る喜びも教えてくれる発酵人です。

榎本さんの情報は下記リンクから!