元気な発酵人 vol.3

東飯田酒造店:店主 飯田慎さん

江戸時代の後期、明治維新直前の慶応元年に創業以後150年余り地元で愛されている東飯田酒造、昔ながらの酒作りを今に伝えている杜氏の飯田さんに日本酒の魅力について伺ってきました。

長野県の日本酒

日本酒は最高温度を15度位とする低温で発酵させることが条件となるため、寒い気候が良いとされています。また寒い地域の方が雑菌も繁殖しにくいため雑味の少なく美味しい、お酒ができます。冬には雪に閉ざされる長野県は日本酒の醸造に最適な環境といえます。

酒の命“米と水

酒の命は良い水と良い米。東飯田酒造では創業当時より地元長野産に徹底してこだわっています。仕込みの水には犀川の伏流水を使用。伏流水は極めて浅い地下水流水は砂礫層を流れることによって、水の不純物等々が減少し、結果的に自然にろ過をされたような水質で、お酒の仕込みの水として最適です。お米は地域活性化グループ・信里未来塾で作った酒米を使用しています。信里地区は昔から良質米の産地として知られており,良質なお米を原料に単なる酒造りでなく、地域の未来造りを目指しています。

減少する日本酒生産量

現在の日本酒市場は全体でみると日本酒生産量は減少傾向にあります。若い世代が日本酒を飲む機会が減っていることが原因の一つにあげられます。ピークの生産量170万キロリットルに対して、今は60万キロリットルを割るまで落ち込んでいるそうです。

「親しみやすい」日本酒の製造

日本酒の生産量が減少する一方で、東飯田酒造店では現代人に日本酒を親しみやすく感じてもらう為の様々な取り組みが行われています。日本の「萌え文化」を取り入れ、ラベルに長野県長野市篠ノ井のご当地キャラ・おしのさんが印刷された日本酒を販売。こちらは、長野県以外でも日本酒の催事出店の際に販売。普段日本酒を飲まない方がパッケージにひかれ、そこから日本酒のファンになってくれることも。他にも 「実は日本酒があまり得意でない」という店主の娘さんが仕込んだ「松翠(まつみどり)」は軽い吟醸香が特徴ので日本酒初心者でも飲みやすいと大好評です。

時代に合わせて進化する老舗酒造店

東飯田酒造店では観光客に向けた酒造見学も行われており、国内のみならず海外からも蔵の見学に大勢の人がおとずれます。酒造蔵、土蔵、漬物蔵、客間は国の登録有形文化財にも指定されていて見ごたえは十分。蔵の柱には要所、要所にQRコードが張られていてされていて、スマホで読み込めばYouTubeで製造工程の動画を見ることができます。 時代に合わせた様々な取り組みが、普段日本酒にあまり馴染みのない新しい層にも日本酒を普及する発端となっています。

元気な発酵人!

店主の飯田さんのご趣味はマラソン。全国様々な地域で行われるマラソン大会に出場し、その様子をご自身のYouTubeチャンネルでアップしています!その元気と健康はやはり長野県の発酵食品が支えています。  

株式会社 東飯田酒造店

営業時間:9:00~16:00

定休日  第2・第4日曜日

所在地  〒381-2235

長野県長野市篠ノ井小松原1724

URL:https://www.motooi.com/