元気な発酵人 vol.8

株式会社ミソド:代表取締役 藤本智子さん

2011年より「365日味噌活宣言」を掲げみその啓もう活動を開始した株式会社ミソド代表取締役の藤本智子さん。現在では「ジャパン味噌プレス」の運営やイベント、メディアへの出演を通じて日本の伝統食文化である“みそ”のすばらしさを伝えています。日本人にとって身近な食材であるにもかかわらず意外と知られていない“みそ”の魅力を藤本さんに教えていただきました。

みそとの出会い

藤本さんと“みそ”の出会いは不摂生だったアパレル時代に遡ります。多忙な毎日の中で、生活習慣の乱れによる体調不良と肌トラブルに悩まされるようになります。皮膚科に通えば肌の状態は落ち着くものの、通うのをやめたら、また肌トラブルを繰り返すという状況。根本的な解決が必要だと食生活を見直す中で、みそ研究の第一人者である広島大学名誉教授の渡邊敦光先生と出会い、毎日の食生活に“みそ”を取り入れることを勧められます。早速“みそ”を取り入れる食生活を実践した所、数か月で肌荒れの症状が治まり体調も落ち着いた事にとても驚いたそう。この体験をきっかけにみそに魅了されることになった藤本さん。みその魅力や可能性をたくさんの人に伝えたいという想いが生まれ、みその啓もう活動をスタートしました。「みそは私たちが最も取り入れやすいスーパーフードなんです。」と語ります。  

ミソドの思い。

藤本さんが立ち上げた株式会社ミソド。社名であるミソドには3つの「ド」が隠されていることを教えてくれました。「度」:みそ度100%で情報を発信していく決意。「道」:どこまでもみそを追究し、極めたいという強い想い。「Do」:多くの人にみその魅力を伝えていこうという活動。ミソドの名前の通りに藤本さんは“みそ度100%”の日々を精力的に送っています。編集長を務める「ジャパン味噌プレス」の取材を自ら行い、全国各地でセミナー・ワークショップ等を開催。そして藤本さんを語るうえでかかせないのが“みそまる”をフックにしたみその普及活動です。

簡単!おいしい!かわいい!を叶えるみそまる

藤本さんが考案した「みそまる」は戦国時代の武将も携帯保存食として使用していた“みそ玉”からヒントを得て、現代風にアレンジしたものになります。忙しい現代人に“健康のためにみそ汁を飲みましょう”といってもなかなか取り入れられないのが現実。そこで、みそ汁を誰でも簡単にかつ、楽しく飲んでもらえないかと考案したものが、この”みそまる”です。見た目はまるでショコラのような“みそまる”はみそと出汁と具材を丸めて作ります。家庭でもある食材で簡単に作れ、冷凍で一か月保存も可能です。お湯を注ぐだけで忙しい朝や疲れて帰った夜でも手軽におみそ汁を飲むことができ現代の生活に寄り添った画期的なアイテムです。また藤本さんは百貨店を中心に“みそまる”の製造、販売も行っており、高級ショコラのような見た目で、贈答用として人気があります。この“みそまる”は映えるとSNSを中心に話題になりました。

長野県のみその魅力

日本全国には原料の違いや気候の違いによって多彩なみそがあります。その中でも長野県の信州みそは全国シェア第一位を誇ります。藤本さんは「信州みそはシンプルな万能みそで、家庭に一つないと料理が始まらない。どんな食材とも調和し、非常に使いやすいのが信州みそ」といいます。また、藤本さんは、地元みそメーカーの職人たちがさらなる技を磨くことを目的に集まる「諏訪味噌技術研究会」の実習に参加し、ワインみその試験仕込みを行うなど、常にみその可能性を探っています。ワインみそはみそ職人の皆さんも太鼓判を押す逸品に!ワインの風味がほのかに広がるちょっぴり大人なみそです。⾧野県産の食材をみそと合わせたい、ということで選定したのがワインだったとのことですが、「え!この食材も合うの?!」 という驚きが止まらないのもみその魅力です。

長野県の“みそまる”

長野県にはたくさんのみそ蔵があり、製造している蔵によって味に違いがあるため、お気に入りのみそを見つけてみてくださいと藤本さん。長野県の“みそまる”を作っていただきました。発酵食品の宝庫である長野県、県産品でもある“野沢菜”と甘酒を使った野沢菜みそまるは隠し味に七味唐辛子を加えてほっとする優しい味ながらピリッとしまりがあります。飲むだけで健康になれそうな、そんな一杯です。 具材:野沢菜、油揚げ、甘酒、七味唐辛子  

元気な発酵人!

藤本さんがはじめた、みその普及活動は多方面に広がり現在「みそまるマスター」と称したみその啓もう活動をする仲間が日本全国に60名程います。また、これまでも「ミラノ万博」や「伊勢志摩サミット」でみそのPRを行うなど海外向けの発信もしてきましたが、昨年新たに「MISO WORLD」というプロジェクトをスタートし、WEBでの発信に加え、イベントやプロモーションなどを行っていくとのことです。「WORLD」は「みその奥深い世界」と「世界」の意です。藤本さんは日本だけでなく海外にも、みそという文化を広める発酵人です!

ジャパン味噌プレス

ミソド藤本さんが編集長を務める

ジャパン味噌プレスは下記URLから

URL:https://miso-press.jp/