長野県は日本一の生産量を誇る味噌をはじめワインや日本酒、漬物など、様々な「発酵食品」を生産しております。これまで長野県民は、野菜をたくさん食べ、発酵食品を含む多彩な食品を取り入れた食生活を積み重ねてきました。そこで、全国トップレベルの長寿県である長野県は、発酵食品産業の振興を通じて健康長寿を目指しております。
似ているようで大きく異なる“腐敗”と“発酵”。微生物や細菌などの働きにより、食物が変化するという点では同じですが、食品を傷ませるなどの人のからだに良くない微生物の活動を「腐敗」といいます。一方、生物と食品の組み合わせによって、新たな栄養素を生み出すことを「発酵」といい、食物が発酵することにより、長期保存が可能になります。栄養価が高まる・消化を助ける・腸内環境を整えるといった健康面、うま味や風味が高まるといった味覚面でのメリットもあります。
山に囲まれ、海が無く、冬は雪に閉ざされるため、長野県の家庭では、古くから味噌、醤油、漬物、酒など、保存食として食べ物を発酵させる文化が育まれ、発酵食品が産業として発展してきました。野菜を塩蔵し漬物にすることで、冬でも野菜を食べることができ、また醸造酒が嗜まれるほか、生鮮肉の代わりに豆を発酵・加工した食品が多く摂られます。生活の中に根付く発酵食品を摂ることによる健康的な食生活が長寿県長野を支えています。
発酵をキーワードに、さらなる健康長寿を目指すことを目的として、長野県は「発酵・長寿県」宣言をしました。